先日、FileMaker Pro 15がリリースされました。
メンテナンスリリースで無償インストールできたので、早速使ってみた。
感想は……14とあまり変わってない感じ。
むしろ、メニューの表示が変わってて、ひじょうに使いにくくなっていました。
元々、今回はiOS関連の機能の追加が多いようでしたので、実はあまり興味がなかったのですが、ODBC接続でPostgreSQLが使えるようになるという点にだけ、注目していました。
ODBC?Post?なんのことやらわからんという人に言っておくと……
まずPostgreSQLですが……
同じ人間でも人種が違うように、データベースを扱うソフトウェアにも、種類がたくさんあります。
FileMaker以外にも、MySQLやOracleなど、いろいろありまして、PostgreSQLもそのうちのひとつ。
PostgreSQLはよくポスグレと呼ばれます。
タダで使えるうえに、同じタダで使えるMySQLよりも高機能なので、評価されているらしいです。
次にODBC。
実はFileMakerは、リレーションシップのグラフに、別データベースのテーブルを追加することができるのです(外部データソースと言います)。
こんな感じで。
ごちゃってますが、一番右のテーブル。
これはFileMakerのテーブルではなく、PostgreSQLのテーブルです。
テーブル名(order_psql)が斜体になっているのが目印。
それで、これができると何が良いかというと、FileMakerとは一切関係のないシステムで作ったデータベースに、FileMakerで作ったデータを放り込む……ということができます。
ただし、ここで注意点がひとつあります。
FileMakerと上述のPostgreSQLは別物、日本人とドイツ人みたいなものなので、両者をつなぐためには、その仲介をする「共通言語」が必要なのです。
この共通言語が、ODBC(Open Database Connectivity)になります。
その名の通り、データベースをオープンにつなぐ……データベース界の通訳さんです。
FileMaker ---- ODBC ---- PostgreSQL という構成をとることで、FileMakerのデータをPostgreSQLに転送することができるようになります。
実データはPostgreSQLデータベースで管理しているんだけど、データ入力はFileMakerでやりたいんだよね。
そんな時に使えばいいと思います。
本題に戻ると、FileMaker の14までは、PostgreSQLを外部データソースとして使うことができませんでした(リレーションシップグラフに追加できなかった)。
15になって初めて、PostgreSQLとの本格的な連携ができるようになったわけです。
ですので、今回はFileMakerで作ったデータを、ODBCを介してPostgreSQLデータベースに送りつけてみました。
わざわざFileMakerのデータをPostgreSQLに送って何の役に立つのかというと……
イメージとしては、各店舗のPOS端末から、本社のデータベースにデータを送って、本社側でデータ分析、みたいな。
データ分析、FileMakerでもできなくはないと思いますが、データ分析用の関数があるPostgreSQLでやったほうが良いと思います。
FileMaker→PostgreSQLへのデータ転送にはいろいろ準備が要ってめんどくさいですが、手順としては、以下のような流れになります。
① PostgreSQLをインストールする。
② PostgreSQL用のODBCドライバをインストールする。
③ Windowsの管理ツールで、②を使うためのアカウントのようなもの(DSNという)を作る。
④ Actual ESS Adapterをインストールする。
⑤ Windowsの管理ツールで、④を使うためのアカウントのようなもの(DSNという)を作る。
⑥ FileMakerでテーブルを作って、レコードをいくつか追加する。
⑦ PostgreSQLに、FileMakerで作ったテーブルと同じ形式のテーブルを作る(SQL実行環境が必要)。
⑧ FileMakerで外部データソースを追加して、リレーションシップグラフに⑦で作ったテーブルを追加する。
----ここまでが準備----
⑨ FileMakerのレコードを⑧のテーブルにインポートする。
ちなみに今回は、同じPCにPostgreSQLとFileMakerを入れた完全ローカル環境、OSはWindows7(64bit)での実験になります。
本当はサーバー・クライアントでやってみたかったのですが、最初なのでシンプルに。
……長くなりそうなので、詳細は次の投稿でやります。